2016年5月13日金曜日

嫉妬とコンプレックス

昨日、演出家の蜷川幸雄さんが亡くなりました。
80歳でした。
「世界のニナガワ」として舞台演出家として
世界的に有名でした。

私は蜷川さんの舞台は
1回しか観たことがありませんが、
よく作りこまれた舞台だなあという記憶があります。
ただ、裏で蜷川さんが睨んでいるイメージ
が頭に浮かび、心から舞台が楽しめなかった
のが本音です。

蜷川さんと言えば、
妥協を許さない姿勢が有名で、
「怒声と灰皿が飛んでくる」と聞いています。
多くの俳優が被害にあってきたことでしょう。
その中から成功できた人は幸いですね。

私は、こうしたカリスマ的指導者というのが
かなり苦手なタイプです。

人間性を否定するような罵声を浴びせ、
どん底まで落としてわからせる。
でも、そこには深い愛情があって・・・みたいな。

プロフェッショナルな世界だから
それが許されるのかもしれません。

でも、世間的には、上からものを言ったり
相手を貶めたり、時には危害を与える、
そんな人は嫌われます。

代表的なものに、パワハラやモラハラ、
そしてDVにも繋がります。

そういうタイプの人ってかなりの割合で
存在するみたいですね。

そして、人の心や体を傷つけてでも
自分を保っていたい人は、
心の底では弱いものを持っています。

私の母もこの部類に属するので、
よくわかります。
子供の頃からずっと被害にあってきました。

蜷川さんへのインタビューで、
「演出家として大成できた理由は何ですか?」
という問いかけに対し、

蜷川氏は
「嫉妬とコンプレックスだよ。」
と答えたそうです。

蜷川氏は、昔、舞台で演技もしていたそうです。

ある時、女優の太一喜和子さんに

「あんなへたくそな演技をする人(蜷川さん)
の言うこと聞く気になれないわ。」

って言われちゃったそうです。
で、俳優はやめ、演出家だけにしたとのこと。

だから、舞台で上手い演技をする俳優たちへの
「嫉妬とコンプレックス」が
より高い舞台演出へと駆り立てたのでしょう。

蜷川さんが一流の俳優だったら、
あのすごい舞台はできなかったかもしれません。

一流のプレーヤーが一流の指導者になる
というのはあまり聞きません。

蜷川さんは
「80歳になったら生まれ変わる。」
と話していたそうです。

今、80歳で亡くなられて、
あの世で、どんな生まれ変わり
をされるのでしょうか・・・

ご冥福をお祈りいたします。

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